【2026年度最新】男性育休の取得で会社がもらえる「両立支援等助成金」を徹底解説|初めてでも分かる受給のポイント

「男性社員から『育休を取りたい』と相談されたけれど、人が抜けると現場が回らない」
「男性の育休を応援したい気持ちはあるが、会社として何から準備すればいいのか分からない」
最近、このようなご相談を経営者様からいただく機会が増えています。法改正が続き、男性の育児休業(以下「育休」)は、今や特別なことではなくなりつつあります。
一方で、社員が育休を取ると、その間の人員の手当てや業務の引き継ぎなど、会社にとっては負担も生じます。そこで知っておきたいのが、男性社員が育休を取得したときに、会社が国から受け取れる「両立支援等助成金」です。
本コラムでは、助成金を初めて検討される方にも分かりやすいよう、2026年度(令和8年度)の最新の内容をもとに、制度の仕組みから受給のポイントまで、基本からていねいに解説します。
1. そもそも「両立支援等助成金」とは?
「両立支援等助成金」とは、従業員が仕事と育児・介護などを両立できるよう、働きやすい職場づくりに取り組んだ会社に対して、厚生労働省から支給されるお金です。助成金は融資とは違い、原則として返済する必要がありません。
両立支援等助成金の中には、取り組みの内容に応じていくつかのメニュー(厚生労働省では「コース」と呼んでいます)が用意されています。たとえば、育休を取った社員の職場復帰を支援した場合のメニューや、介護と仕事の両立を支援した場合のメニューなどがあります。
その中で、男性社員の育休取得を後押しするのが、「出生時両立支援コース」というメニューです。「子育てパパ支援助成金」という愛称でも呼ばれています。内容はシンプルで、「男性社員が子どもの誕生後に育休を取りやすい環境を整え、実際に育休を取得してもらった会社を支援する」というものです。
2. 男性育休の助成金(出生時両立支援コース)でもらえる金額
このメニューには、大きく分けて2つの受け取り方があります。
① 男性社員が育休を取得したとき
男性社員が、子どもの誕生から8週間以内に育休を取得した場合に、1人ごとに支給されます。1つの会社につき、3人目まで受け取ることができます。
| 対象者 | 必要な育休の日数(連続) | 支給額 |
|---|---|---|
| 1人目 | 5日以上 | 20万円(職場の環境づくりの取り組みを4つ以上行った場合は30万円) |
| 2人目 | 10日以上 | 10万円 |
| 3人目 | 14日以上 | 10万円 |
「職場の環境づくりの取り組み」については、次の章で詳しくご説明します。
② 会社全体で男性の育休取得率が上がったとき
個人単位ではなく、会社全体で「男性の育休取得率」が一定以上に上がった場合に、1つの会社につき1回限りで60万円が支給されます。
たとえば、「前の事業年度より取得率が30ポイント以上上がり、50%以上になった」といった条件があります。2026年度からは、この受け取り方の対象が「常時雇用する労働者が300人以下の会社」まで広がりました。
このほか、自社の育休に関する情報を公表した場合には、2万円が上乗せされます。
①と②をあわせると、1つの会社で100万円以上を受け取ることも可能です。社員の育休を応援しながら、その間の人員確保や業務の見直しにかかる費用を、助成金で補うことができるのです。
3. 受給のために会社が準備すること
助成金を受け取るには、単に男性社員に育休を取ってもらうだけでは足りません。事前に、会社として次のような準備をしておく必要があります。
就業規則に育休のルールを定めておく
就業規則(会社の働き方のルールブック)に、育休や、子育て中の社員が勤務時間を短くできる制度について、具体的に定めておく必要があります。「法律のとおりとする」といった記載だけでは不十分とされるため、注意が必要です。
「一般事業主行動計画」を作って届け出る
「一般事業主行動計画」とは、社員が子育てと仕事を両立しやすくするために、会社として「いつまでに、何に取り組むか」をまとめた計画書のことです。計画を作ったら、労働局へ届け出て、社内に周知し、外部にも公表する必要があります。
職場の環境づくりの取り組みを行う
育休を取りやすい雰囲気をつくるため、法律で定められた次のような取り組みのうち、複数を実施する必要があります。
- 育休に関する研修を行う
- 育休について相談できる窓口を設ける
- 社内で育休を取った人の事例を集め、紹介する
- 育休の制度や、会社として取得を後押しする方針を社員に知らせる
- 育休を取る社員の業務を、ほかの社員にうまく割り振れるよう体制を整える
必要な取り組みの数は、何人目の申請か、また社員がどのくらい前に育休を申し出たかによって変わります。
育休中の業務の引き継ぎ体制を整える
育休を取る社員の仕事を、誰がどのように担当するのかを決め、その見直しのルールを育休が始まる前日までに定めておく必要があります。
4. あわせて知っておきたい関連制度
育休中の仕事を代わりに担う社員を支援するメニュー
両立支援等助成金には、「育休中等業務代替支援コース」というメニューもあります。育休を取った社員の仕事を代わりに担当する社員に手当を支給した場合や、代わりの人を新たに雇った場合に、会社が支給を受けられるものです。「人が抜けると現場が回らない」というお悩みがある会社では、男性育休のメニューとあわせて検討する価値があります。
東京都独自の「働く人の育業応援奨励金」
東京都では、国の助成金とは別に、都内の中堅・中小企業を対象とした「働く人の育業応援奨励金」という制度があります(以前は「働くパパママ育業応援奨励金」という名称でした)。東京都では、育児休業のことを「育業」と呼んでいます。
男性社員が一定の日数以上の育業を取得した場合などに支給される制度で、申請の前に「事前エントリー」が必要です。国の助成金とは要件や手続きが異なるため、詳しくは東京しごと財団の案内をご確認ください。
社員側の手取りを支える「出生後休業支援給付」
2025年4月からは、夫婦ともに一定期間の育休を取った場合に、社員本人が受け取る育児休業の給付金が上乗せされる「出生後休業支援給付」も始まっています。会社だけでなく、社員にとっても育休を取りやすい環境が整いつつあります。
5. ここが落とし穴!受給のために知っておきたい4つの注意点
男性育休の助成金は、比較的取り組みやすい助成金です。しかし、ちょっとした準備不足で「不支給」、つまり1円も受け取れなくなってしまうケースもあります。特に注意したいポイントは、次の4つです。
① 準備は「育休が始まる前」に済ませる
就業規則の整備や、業務の引き継ぎに関するルールづくりなどは、育休が始まる前に済ませておく必要があります。社員から「来月から育休を取りたい」と申し出があってから慌てて準備しても、間に合わないことがあります。
② 育休の日数は「連続」で数える
必要な日数は、連続した日数で判断されます。また、その期間中に会社の所定の労働日が一定日数以上含まれていることも条件です。飛び飛びで休んだ場合や、休日が多く含まれる場合は、条件を満たさないことがあるため注意が必要です。
③ 申請の期限は「育休が終わった翌日から2か月以内」
男性社員が育休を取得したときの申請は、育休が終わった日の翌日から2か月以内に行う必要があります。この期限は1日でも過ぎると受け付けてもらえないため、スケジュール管理が非常に重要です。
④ 出勤簿や賃金台帳など、日頃の記録が審査される
審査では、育休を取った期間や、その前後の勤務状況・給与の支払い状況が、出勤簿(タイムカード)や賃金台帳(給与の記録)で確認されます。日頃の勤怠管理や給与計算に誤りがあると、それが原因で不支給になることもあります。
(関連コラム:【警告】給与計算のミスで助成金が全額不支給に!?連動する恐ろしいリスク)
(関連コラム:致命的な落とし穴!助成金申請でよくある不支給理由5選)
男性育休の助成金申請は、社労士事務所SunOfficeにご相談ください
「男性社員から育休の相談があったけれど、助成金の対象になるのだろうか?」
「就業規則や行動計画の準備が、自社でできるか不安…」
「育休中の仕事の割り振りをどうすればいいか分からない」
このようなお悩みをお持ちの経営者様は、ぜひ社労士事務所SunOfficeにご相談ください。
当事務所では、就業規則の整備や一般事業主行動計画の作成など、助成金を受け取るために必要な準備から申請まで、まとめてサポートいたします。
(当事務所の受給事例:【情報通信業】両立支援等助成金を57万円受給した事例)
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万が一、助成金が受け取れなかった場合には、サポート料金はいただきません(一部の助成金を除きます)。 - 「提案型」だから、もらい損ねを防げます
男性育休のメニューだけでなく、育休中の業務を代わりに担う社員への支援など、貴社の状況に合わせて、最も有利な助成金の組み合わせをご提案します。 - 就業規則の整備・給与計算まで「まるっと」おまかせいただけます
助成金の要件となる就業規則の見直しはもちろん、審査で重要になる給与計算や勤怠の集計まで、まとめてお任せいただけます。
男性の育休は、社員の定着や採用力の向上にもつながる取り組みです。社員から育休の相談を受ける前に、まずはお気軽にお問い合わせください。
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